11月6日
嘗祭を学ぶ
ワークショップ
&
水生生物観察会
開催レポート

1、おそなえ物をつくろう!

祭祀を執り行う際に献饌(けんせん)するおそなえ物をみんなで作るワークショップをおこいました。今回、ふとまにの里で穫れた野菜や果物、お米をおそなえ物として用意しました。

おそなえ物は、全部で5種類

「くだもの」

「はくまい」

「さんぽう」

「げんまい」

「やさい」

のチームに別れていただき、清子先生や斉藤宮司の説明を聞いてから早速みんなで作りました。

〜清子先生のお話〜

おそなえ物を作る際には、美しさを表現してもらいます。

一つひとつ丁寧に作られているので、一つひとつの先端まで

気が通るように美しさとは何かなって考えながら作ってみましょう。


〜斉藤宮司からのお話〜

お供え物の基本、一番大事なお三方を作ります。


まず火打ちという神様の道具で自分を清めます。

自分自身を清めてからお三方を作ります。


瓶子(へいし)には日本酒、水玉(みずたま)にはお水、

平皿(ひらざら)は向かって左に米、向かって右に塩を入れます。

●水玉の用意
お水は、水道水ではなく浄水されたきれいなお水を入れる。溢れない程度に蓋をする。

●瓶子の用意
二つの瓶子に日本酒を入れる。
ガラスと違って中が見えないが、満杯になるようにちゃんとなみなみと入れて蓋をする。

●平皿の用意
塩とお米は、三角形(円錐)に作る。
お塩は、型にしっかり詰める。
お米はお水で洗っておいて濡れたお米を型にやんわりと詰める。平皿に型を逆さまにして置き、型から外す。

みんなで協力し合いながら、丁寧に作っていました。

→お子様たちが、一生懸命作ったおそなえ物です。

久子先生、清子先生、斉藤宮司が鎮魂、お祓いの前に、献饌しました。
その様子をお子様が静かに見守っている姿が印象的でした。

2、鎮魂/祓詞 (大祓なしバージョン)

今回、久しぶりにみんなで一緒に5分間鎮魂、

そして、お祓いを奏上しました。


久しぶりだから、落ち着いていられるかな?と見守っていましたが、

そこまで騒ぐ子もいなくて、静かにお父さん、お母さんの真似をしている姿が微笑ましかったです。

お祓いも大人に負けじと大きな声を出している子もいて、成長した姿に感動しました。

3、斉藤宮司のお話

以下、内容を一部、掲載します。

◆新嘗祭は、新しいという字に嘗めると書きます。

そこから食べるということに繋がっていきます。

「収穫」といって野菜や果物など今年になって採れたものを神様と一緒に嘗めるということで食べるというお祭りです。

11月23日に執り行われる最も古いお祭りで甲府でも、そして全国の神社でも行われます。


◆ご先祖様と一緒に感謝して今年採れたものを食べるお祭りでもあります。

その神様をたどると神様にも繋がる代表的なお役割の方が天皇陛下です。

代表して天皇陛下が行ってくださるお祭りです。

天皇陛下のご先祖様が神様で、みなさんのご先祖様も神様と繋がっていることになります。


◆お供え物はお米が代表的なものです。お米と一緒に野菜、果物もお供えします。

いろんな方が見守って育ててつくられたもの、自然の力も借りて、お天気、太陽、雨、風の力も必要です。

食べ物を作ることに協力してくれてる人、自然の力、これは日本の古いお話ではすべて神様の働きですよ。というお話が伝わっています。

これから自然の中から神様との関係を学ぶ機会がいっぱいあると思います。

このことから新嘗祭は日本の大事な最も古いお祭りとなります。

4、清子先生のお話

以下、内容を一部、掲載します。

◆私のお父さん、賢治先生は、「いただきます」がすごい長いんです。

その時に何をしているかというと、

「いただきます」のところにくるまでに、ご飯はどうやってみんなのところまで来ているでしょうか。

お肉、野菜を作ってくれてる人、土、大地の神様。

そして、自然の働きがあってやっとみんなの目の前に届きます。

お父さんお母さんが毎日毎日、料理を作ってくれるでしょ。

そうやってみんながおいしいごはんを食べられる。そのことに手を合わせて感謝します。

一個一個にすごく感謝してるといただきますが賢治先生みたいに長くなります。



◆食べ物がなくて本当に困っている人たちがいます。

食べ物を捨てる、余るということはとても、もったいないことです。

無駄にしない、大切な分だけ欲張らない、自分に必要な分だけ、あとは必要な人に届きますようにって思いを込めてください。

焼き芋をとなりのおともだちに「どうぞ」とかできるといいですね。

5、久子先生のお話

以下、内容を一部、掲載します。

柏手ってこんなに心を込めてやるものだったのかとわかったんですね。
忍び手は、音はしないけど心がいっぱいになります。
50日間の忍び手が終わって拍手の尊さがすごかった。

御魂が喜ぶということ、先生方との出会いも一期一会です。
「ありがとう」「ごちそうさま」「いただきます」この言葉が永遠の今です。
うれしいという気持ち、楽しいという気持ち、一期一会で永遠の今、今は今だけ点なんです。
今楽しい今楽しいの点が繋がって線となり、今楽しい今楽しいが繋がって面になります。

親は何もしなくても親が楽しい姿を見せていると大丈夫です。
子供は見てくれています。悲しい時も大丈夫だと思って。困ったときも何とかなると思って。
人生何があるかわからないけど、その時その時に自分が今うれしいわという気持ちをもってください。

6,水生生物観察会

お子様が一番楽しみにしていたふとまにの里でのワークショップ。

この時間は、みんなイキイキとしていました。

水生生物観察会資料↓

https://s.neten.jp/D3sVH

〜富樫先生のお話〜


今日の見つけた水生生物をおさらいしてみよう!

【マツモムシ】

水生カメムシの仲間です。

水面を背泳ぎしながら泳ぎ回る虫で、昔の稲作をやってた人なんかは

非常によく知ってる身近な昆虫だったんです。


水面を背泳ぎしながら枝から落ちてきた芋虫などを食べます。

この種類だけじゃないんですけど、口が針みたいになっていて獲物に突き刺して

消化液を流し込んでから体の中を溶かしてそれを吸い上げるっていう食べ方をします。



【ミズカマキリ】

カマキリと名前がついてますけれどこれも同じく水生カメムシの仲間です。


陸のカメムシは、ピーマンの苗を食害したりとか、草の汁を吸う種類が多いんですけれど

水生カメムシの仲間はほとんどが肉食性です。


ミズカマキリは、前足が釜のような形になっていてこの足で魚を捕まえて口の針で刺して

消化液を流して吸い取るっていう餌の食べ方をします。



【コイ/フナ】

コイとフナというのは雑食なので、虫も植物(水草の新しい新芽など)も食べます。

砂と泥を巻き上げながらまさぐるように食べる餌の食べ方をします。


水中の泥を餌を食べる時に間違えてしまって水を濁らせてしまうという影響もあります。


フナは外来ですが、実はコイも外来種なんです。

日本にもともといた魚ではあるんですけれど、明治時代とか昭和とかの時代に

大陸からちょっと体の高さが高い別なコイが入ってきて、

それがまだ生息していたりすると日本の元々いたコイが混ざり合ってしまっていることが

最近になってわかってきました。


日本在来のコイっていうのは琵琶湖の水底の川にしか生息していないようだということが最近になってちょっと分かってきたということは、覚えておいていただきたいということですね。




【ブルーギル 】

オオクチバスと同様、特定外来生物の一つです。

今回、見つけたのは、2,3cmの小さい魚でした。


若い頃は、水草の新芽を食べ、大きくなってくると、

昆虫とか水草とか何でも食べるようになってきます。



●「かいぼり」というのは、水質の浄化には非常にいい手段のひとつです。


日本の農村では伝統的にされていて、水を抜いて一緒に泥をさらって、

池の底を空気に晒すことによって微生物の働きを活性化させて水がきれいになります。


各地で水生昆虫を探してきて、水生昆虫が30、40。多いところは80過ぎぐらい見つかるようなすごい池があるんですけど、そういうところは一年に一回かいぼりの作業をしています。


ふとまにの里も一年に一回水を抜いて綺麗にしているので

一昨日見た時は非常に水の透明度が高く水質は非常に良い環境だと思います。


ただやはり魚が多いということで、魚が多くて水生昆虫が食べられてしまって

虫が少ない状況ではありました。


ビオトープをどういう作り方をしてどういう管理をしてこれからどういう生き物が増えていくのかというのをこれからも一年に一回観察会を通して調べていけたらなという風に思っています。