3月5日
雛祭り

ワークショップ
&
雛祭祭祀
開催レポート

1、斉藤祝殿宮司のお話

以下、斉藤宮司のお話の内容を一部、掲載します。

◆雛祭は昔から、一年間の節目の大事な時に、お父様お母様ご家族様ご先祖様とご一緒に、子供たちの成長を一緒にお祝いするという、そのような行事が昔から行われてきました。
雛祭は、日本に古くから伝わる、いわゆるハレの日でもあります。ハレは「お祓い」という言葉にも通ずるんですね。お祓いという言葉にもつながるので、しっかりと古くから伝わるお祓い、鎮魂と、みんな一緒にやっていただきます。
自分自身を確かめながら、お父様お母様ご家族様、みなさんと一緒に今日という日をお祝いしましょう

◆もう知っているお友達もいるけれど、桃の花が咲くのは、本当は4月なんです。
細かく言うと、昔使われてた暦と今使われてる暦と、少し違いがあって、本当は少し早めのお祭りともなるんだけれども、みなさんと一緒に今日、気持ちを合わせてお祝いをした、お祭りをしたという、その気持ちが一番大事で、また、暖かくなって桃の花が咲いたら改めておめでたいなというふうに思っていただければ、雛祭のことを思い出していただければなと思います。

◆桃の木もいろいろ意味があって、お祓いをしてくれるんだね。
桃を食べると、実際においしいしね。

桃の、果物のおいしさも味わいながらも、お祓いの効果に実はつながったりするんです。

〜みんなの見つけた春を教えてもらったよ♪〜

桃の花を見せてくれたり、春に作っていた結晶を見せてくれたり、みんなそれぞれの「春」について話をしてくれました。

2、お供え物を作ろう

今回、雛祭祭祀で*献饌(けんせん)するお供え物を清子先生と一緒にみんなで作りました。


オンラインギフトボックスでお送りしたひなあられを入れる容器を折り紙で折り、菱餅を白いお皿か半紙に飾り、お供え物を用意しました。


※献饌(けんせん)とは
「神前にお供え物」をすること。お供えすることは神をお迎えしおもてなしをしていた文化の伝承となり、次の世代に引き継がれています。

子供たちも大人の方も、皆さん夢中になってお供え物を作っていました。

お供え物を作る時のポイントも説明しました。

器に盛る際に、
お山の形にしたのを覚えているかな?それは、何故でしょうか。


---お子様の回答----

テレビで、おにぎりの三角形は、天に、なんか、やるって。それと同じで、三角形のお山にすると、天に届くっていう意味がある

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いいですね。天の神様に届くように、お山の形に作っていきます。
もうひとつは、「
豊かさの象徴」って言って、こうやって(山のように)たくさんのものが実り豊かに育ちましたよっていう意味を込めて神様にお供えする時に、「天盛り」って言って、山のように盛っていきます。

3、清子先生のお話

以下、清子先生のお話の内容を一部、掲載します。

◆「桃」というのは、邪気を祓ってくれると言われて
います。その邪気を祓うものが桃ですよ、

縁起がいいっていうのが桃なんですよっていうのをこのページ(雛祭冊子)に書いてあります


この魔除け、邪気払いの桃は、ちょうど、イザナギが雷神に向かって最後、桃を投げつけている絵が出ているんですが、これがなぜ、かというと、雛祭というのは「桃の節句」とも言われていて、実は、桃も神様なんです。


「あなた(桃)は、わたしイザナギノミコト)のことをこうやって助けてくれたように、地上に住んでるみんなにも、何か困ったことがあったら、助けてあげなさい。」

って、イザナギノミコトが桃に言います

そしたら桃が神様になったというお話があるんですね。

桃っていうのは、「百」という数を表していて、「百道」と書いて「ももち」と読みます。
百の道という意味で、そこから「も」を一字抜かして「もち」。

だから、お供え物にお餅をお供えして、一緒にその「もも」っていう、百の神様をお迎えして、みんなのことを守ってもらいましょうね、という意味があります。

その時に、みんなで、桃から元気をもらったり、桃というのは、果物の中で唯一の陽の食べ物だって言われていて、身体を冷やさない食べ物だから、具合が悪い時に食べるといいですよ、滋養強壮にもなりますよっていう意味で、桃をみんなで食べたりします。

〜みんなで鎮魂したよ♪〜

静寂な時間が流れました。
みんな静かに鎮魂に集中していましたね。

4、白川学館雛祭祭祀

献饌しているお供え物の色合いが華やかで、雛祭祭祀にふさわしく明るい雰囲気の中、祭祀が執り行われました。

皆さんと一緒に、子供達の健やかな成長や幸せを予祝できたのではないでしょうか。

、七澤久子代表理事のお話

以下、七澤久子代表理事のお話の内容を一部、掲載します。


今日、この雛祭祭祀におきましては、

「雛祭」という冊子をお作りいたしました。

私は伝統を伝承するということが、これからとても大切だと思います。

二十四節気(にじゅうしせっき)という言葉がございます。

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【二十四節気(にじゅうしせっき)解説】

1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、

さらにそれぞれを6つに分けたもの

国立国会図書館HP:

https://www.ndl.go.jp/koyomi/chapter3/s7.html

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立春がございまして、雨水(うすい)があり、そして、啓蟄(けいちつ)でございます。

二十四節気の中の啓蟄が本日から始まっています。

今まで冬ごもりで、土の中にいた虫も、この啓蟄の時に目覚め、動き始めるのです。

土の中に埋もれていた球根が芽を出して、黄色い水仙がわずかではございますが咲き始めています。

冬が明けて、これから春になります。梅の花が咲き、桜の花が咲きます。

これからいよいよ開花するときでございます。

子どもたちの健康、それから世界、色んな社会情勢がございますが、すべてが幸福になれるように、祈りを込めて、ここでお祓いをあげさせていただいたと思っています。


お祓いをあげるとき、本当は無心になるのですが、思いは祈りの上にある高みを目指すというか、そのような思いで一心にお祓いをあげさせていただきました。

皆さん、それぞれ祈りをしますが、その時に祈りの上にある高みを目指すということがすごく大切なことだと思います。

ですから、皆さんにお伝えしたいのは、まず、自分の中で、この雛祭祭祀はどういうあり様かということをまず考えていただければと思います。


「七一俳句」という句集がございます。

その説明の前にアルメニアについてお話します。

アルメニアという国に、日本の富士山に似た形で知られるアララト山がございます。トルコとの国境にあります。

神話上、ノアの方舟が着いたとされるアララト山でございます。

アルメニアの「ひかり科学教育文化センター」というところに、7歳から13歳くらいの子どもたちが集まって、日本の俳句を勉強しています。

ご縁がございまして、グラント・ポゴシャン駐日アルメニア共和国特命全権大使が、七澤前代表とお会いいただき、アルメニアとの交流が結ばれたわけでございます。

この「七一俳句」の本の中に71句が収録されております。

その中に、「鳥のように 平和な空を 飛び回りたい」という俳句などがあります。

この本は、アルメニアの言葉と日本語でできています。

今日は、色んな意味で、ここで雛祭祭祀をおこなわせていただきました。

日本の雛祭祭祀は、世界に繋がると思います。

世界中の子どもたちの平和を祈ってですね。

今、この時期に、ウクライナとロシアで、なぜ戦争をするのかということはいろいろと考えることはあるのですけれども、これから平和になって、命脈をつなげる子どもたちが健やかに、心豊かに、穏やかになることを祈って、安心して過ごせる日々がくることを本当に待ち望んでいます。