8月11日
ワークショップ
&
先祖供養祭開催
レポート
1、オープニング【清子先生からのお話】
ご先祖様についてお話しました。以下、内容を一部、抜粋しております。
◆お盆はどういう風に過ごしますか?お墓参りに行くお友達も多いかもしれませんね。
ただ、お墓の場所が遠かったり、このご時世ででかけられない方は、お墓に行くのが
難しいと思います。
そういう時は、お墓をイメージし、ご先祖様を思い浮かべて心の中で手を合わせてみて
下さい。
◆私のお祖父ちゃんは、戦争に行っていて、戻ってきてからお父さんが生まれました。
つまり、お祖父ちゃんが生きていなければ私は生まれていなかったんです。
お父さん、お母さん、祖父ちゃん、お婆ちゃん、曾お祖父ちゃん、曾お祖母ちゃんと
こうして命のバトンを引き継いで今があるんですね。
自分の後ろにはたくさんのご先祖様がいて、みんながご先祖様の代表なんです。
◆私たちの中には、5つの魂があるとお伝えしています。
荒魂(あらみたま)
和魂(にぎみたま)
幸魂(さきみたま)
奇魂(くしみたま)
精魂(くわしみたま)
この5つの玉をピッカピカに磨いて次の方に命のバトンを渡してほしいなと思います。
2、鎮魂
鎮魂の所作を改めて斎藤宮司に説明いただき5分間皆さんと鎮魂いたしました。
●息子が今までで一番静かに鎮魂をおこなえた
●いつも雑念だらけなのにスーッと入れた
●清々しい気持ちになった
等々、一人でおこなうよりも鎮魂が深まる方が多いようでした。
3、祓串を知ろう!〜紙垂の創作ワークショップ〜
【斉藤宮司からのお話】
祓串(紙垂)の意味についてお話しました。以下、内容を一部、抜粋しております。
◆いつも皆さんと一緒にお祀りをする際には、神様にお供え物をします。
皆さんがよく御存知なのは、お米、塩、野菜、果物、魚など。
「海川山根の種々のためつもの」と古い言葉では言います。
お供え物の中には、生きていく上で欠かせなない食べ物以外にも神様の教えが形として
表れているもの(祓串)も大切なお供え物です。
◆この「紙垂(しで)」という形に、とても大切な神様の教えがあるんですね。
階段状になっている折り目の所が、遠津御祖神(とおつみおやのかみ)を表しています。
一番下の折り目は、お父さんとお母さん
二番目の折り目は、お祖父ちゃんとお祖母ちゃん
三番目の折り目は、曾祖父ちゃんと曾お祖母ちゃん
四番目の折り目は、曾曾祖父ちゃんと曾曾お祖母ちゃん
というふうに繋がって続いているんですね。
四番目の折り目まで行くと、一番目に戻り、自分自身に返っていく。
こういった神様の器の教えが形になっているんです。
◆更に曾曾祖父ちゃん、曾曾お祖母ちゃんの上にも曾曾曾祖父ちゃん、曾曾曾お祖母ちゃんがいて遡っていくとずっと続くわけです。ずっと遡った先は、神様の世界になるんですね。
◆「紙垂」は、自分自身がご先祖様の代表であること、一番身近なご先祖様はお父さん、お母さんであること、途切れることなくお祖父ちゃん、お祖母ちゃんに続きそれが神様の世界に続いていることを教えてくれている大切なもの。
【紙垂の創作ワークショップ】
清子先生の指導の元、みんなで祓串の紙垂を作成しました。
お子様だけではなく、大人の方も真剣に取り組んでいました。
オンライン越しでどこまで伝わるのか心配していましたが、
清子先生のわかりやすい説明で皆さん紙垂を完成させていました。
4、施餓鬼供養、お盆について
施餓鬼供養とお盆についてお話しました。以下、内容を一部、抜粋しております。
◆餓鬼とは、生前に悪いことをして、餓鬼道という所に落ちて、常に「お腹空いたよ」「喉乾いたよ」と言っている亡くなった人という意味です。
餓鬼道は、仏教の教えで六道輪廻という世界の1つを表します。地獄の苦しみの世界とも言われています。
◆仏教で言い伝えられているお話も含めて、飢餓も物語の一部のように感じるかもしれませんが、実際に人は食べれない時代が長かったこともあります。800年前の京都の絵には飢餓と人間が一緒に住んでいる様子が描かれています。
◆12日から16日ぐらいまでをお盆といい、その期間にお墓参りに行く方も多いと思います。その時に、提灯に火を付けてご先祖様をお迎えします。
餓鬼はお腹空かせて身寄りもないまま寂しく亡くなった霊なので、温かそう、美味しそうというお家についてきてしまうことがあります。
だから伝統では、施餓鬼棚(精霊棚)を外に置いて、餓鬼さんに満足してもらって家の中に入ってこないで、お帰りいただくために作っていました。
〜用意するもの〜
〈水の子〉
ナスとキュウリを細かく刻んだものとお米を和え、水に浸したもの
〈アカミズ〉
どんぶりに水を入れたもの
〈ミソハギ〉
ミソハギ科の植物。お祓いと同じような働きがある。
◆七夕と同じように施餓鬼では短冊をつくります。正式には施餓鬼旗もしくは、五如来幡(ごにょらいはん)っていいます。如来ってその仏様のすごく位の高い方々です。
この如来っていうのが5人いらっしゃって、それぞれの色で示されているんですね。
よくみんなにいっている五行とも対応しています。
〈緑色〉
醜い体の餓鬼を救う妙色身(みょうしきしん)ってきれいな身体をあげる施し。
〈黄色〉
足りないと苦しんでいる餓鬼にお宝をいっぱいあげる施し。
〈赤色〉
甘くて美味しい雨をどんどん降らし、餓鬼の身も心もうっとりと気持ちよくしてあげる施し。
〈白色〉
餓鬼の狭い喉を広げ、食べ物をたくさん食べれるようにしてあげる施し。
〈紫色〉
仏様に触れることにより、餓鬼の恐れを離す施し。
◆11時から先祖供養をおこないますが、やはり大変な時代を生きてきてくれたから僕達がいる。そういうことも何回もこの機会に考えたいですね。写真を見てほしんですが、歯茎が出ていたり、足が細くガリガリになっていたり、あばらの肋骨が出ていたり、さっきの写真の子供とすごく似てると思うんだよね。
それがやはり現実であること。また外の世界にもありますね。自分たちの心の中にも餓鬼になる要素として、もっと欲しい、人を差し置いても自分だけ欲しい、家族だけ幸せだったらいいとか思うこともあるかもしれないけど、それをちゃんとみんなで幸せになろうっていうことを思い出しながら施餓鬼供養の日を過ごすといいと思います。
5、先祖供養祭
先祖供養祭は、いつもと違い、忍び手で神拝作法をおこなうなど、静寂な空気の中で執り行われました。
静寂な空間に斉藤宮司の奏上した祝詞が響き渡りました。
自分自身を通して、祝詞の響きがご先祖様に届いていると感じる瞬間でした。
皆さまも遠津御祖神(ご先祖様)に思いを馳せる時間となったのではないかと存じます。
オンラインを通して、皆さまとご一緒にご先祖様の生前の無念の思いを祓い清めお慰めできたこと大変光栄でございます。
ご参加された方を含め、沢山の方々のおかげで、無事に先祖供養祭を納めることができました。ありがとうございました。